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時を止める時計

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
最近Instagramを始めてから写真絡みの投稿ばかりしていたので、近況をちゃんと話してなかったなと。
今日は話メインで、興味深いエピソードを語ろうと思います(w

自分の職場、ここプエブラのヤマハ音楽教室にはいくつかの教科とサロン(レッスンルーム)があるのですが。
なんとすべての部屋の時計が止まっているのです(w
そう、すべてです(w

すべて、となると何か意図があるに違いない!と。

レッスンするのに時計なんか見てると集中できないのか。でもレッスンは50分だし。そもそも皆遅刻してくるし、来ないってのも多いし。とにかく時間なんて関係なさそうだし(w

時間に一番正確なのは日本人って言いますよね。それは鶏卵の話ではあるけど、電車が時刻通りだからだって説もありますね。
自分もご多分にもれずキッチリタイプだし、何でもキチッとしてないと気が済まないタイプ。…でした日本では。
時間にはちょっとルーズ気味(遅刻魔(w))ですが、絶対に行くし、連絡もする。何しろ仕事はきちっとしていたい。「神はディテール(細部)に宿る」と信じてますから(w

それとは正反対のこの状況。
時計がある。でも動いていない。
そもそもなくてもいいんじゃないか?
でも、あるのに動いていない事に意味がある気もして。
で、これはやはり郷に入れば郷に従えだ!この状況、カルチャーに染まった方が良い!と判断して今まで放ってきました。

ですが、毎日練習に行くにつれ、時間が知りたくなる。
もちろんケータイは持っている。でも時計があるなら見たい。でも動いていない。
ちょいちょい考えて、ある気持ちに至った。

「もしかして壊れてるのか?いや、電池だけか?それだけでも確かめたい」

そしてついに今日電池を持ってサロンへ!
ちょっと恐る恐る電池を入れ換えてみた。

「カシャッ、カシャッ」

時を刻み始めた。いや、進め始めた。
止まったままだったこのサロンの時が進み始めた。
時計の秒針の音がやけに大きく感じる。

そして寂しさが去来した。
「これで良かったのだろうか?」

「時計=日本人」というイメージが払拭できない。
これはメキシコのカルチャーに染まろうと思い移住してきたはずなのに、日本を持ちこんだのだと感じてしまったのだろう。
もはや時計の問題ではない。俺とメキシコと日本の問題だ(w)!

そうしていいか分からなくなった自分は同僚のドラマーにメッセージを送る。
「時計動かしちゃったけど、良かったかな?」
彼はまぁ使わないけどいいんじゃない?と言ってくれて、自分の中で少しホッとした。

でもどうかな?
多分近いうち、自分は電池を抜いてしまう気がする。
このサロンの時は止まったまま。それがメキシコな気がする。
時を刻んではいけないのかも知れない。
 
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